厚生労働科学研究がん対策推進総合研究事業 若年乳がん患者のサイバーシップ向上を志向した妊よう性温存に関する心理支援体制の構築
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目指している方向

妊孕性温存診療におけるメンタルヘルスの重要性

がんと診断されると、とても強いショックや絶望感に陥ることはとても多いです。がん経験者の7割は、強い不安やショックを感じます。中には、ショックのあまり日常生活や仕事などに集中できなくなったりぼんやりしたりします。食事ものどを通らなくなったり、眠れなくなったり、急にがん告知されたときのことを思い出して涙があふれてきたりします。このようないつもの自分と違う不調が現れる方は3割以上います。がんの診断はだれにとってもとてもショックで辛いことなのです。
強いショックを受けると誰もが冷静でいられなくなります。いつもなら落ち着いて客観的に考えられることも、頭の中がいっぱいで考えられなくなったり、自暴自棄になったり、誤った判断をしやすくなります。
がんと診断された後はがん治療や生活をどのように進めていくか、妊孕性温存をしようかどうしようか、など短期間で情報収集をし、決断しないといけないことがたくさんあります。でも、内心は考えることすら辛いし、考えても集中力が落ちていてまとまらないし、どうしたらいいかわからない気持ちになります。このように、妊孕性温存を考える時期というのは辛いし、考えはまとまらないし、でも早く決めなければならないという大変な時期です。


私たちの取り組み

私たちは、このような妊孕性温存を考える時期に合わせて、話を聞いてくれる臨床心理士の養成をしたり、この時期の特徴にあった心理サポートを開発したりしています。
臨床心理士の養成は、日本生殖心理学会、日本がん・生殖医療学会と連携して、がん・生殖医療専門心理士を初年度2016年に全国で18人養成しました。彼女たちは既に全国で活躍しています。
心理サポートの開発としては、O!PEACEという名前の心理サポートです。こちらはただ今臨床試験を行って効果を確かめています。効果が確かめられたら、診療として提供していくことができます。









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